トレインスコープ TC-9第2編成を作る。(その9)
2011年05月08日 19時41分 月齢:5.2[六日月] 潮汐:中潮
14年前に投稿 | 鉄道模型 | 1件のコメント
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少量のボンドGクリヤーをターンテーブルに塗ってカメラを固定します。カメラと本体のケーブルは、手持ちのどんなケーブルでも硬いのでPVCケーブルの被覆を剥いて芯線の1本を使います。
こんなに細くて大丈夫かという不安はないこともないのですが、これくらいしないとスムーズにカメラを回せないのでこれで頑張ってもらいましょう。
絶縁はシリコンガラスクロスのチューブを短く切ったものをいくつも通すことにより、絶縁性と柔軟性を両立しています。また、カメラと本体の距離があまりに短くて、直接的なケーブルの取り回しでは旋回によるケーブルの移動量を吸収できません。本体を浮かせ、本体から一旦後方にケーブルを伸ばし、180度反転してカメラに接続することによって、カメラの旋回によるケーブルの移動を吸収することができました。
そんなわけで、とりあえず完成しました。電池を入れると画面が映らない。ちょっとショックだったのですが、テスターで各部を測定すると電池ボックス-端子付近に導通不良箇所があったのでケーブルでバイパスを作ってOK。画面は綺麗に映りました。視界にケラレもありません。…でも、致命的な不具合が。
先頭部分の屋根が少し浮いています。触るとカメラに当たっている感触。屋根の裏は接触防止のため少し削っているのですが、旋回したときにカメラの角の部分が屋根裏のショルダーのR部分にぶつかるようです。今までたったの一度も屋根を載せずに作業をしてきたことが仇になりました…。
彫刻刀で限界まで肉厚を下げることも考えたのですが、根本的にメスを入れるのは今しかないと考え、回転機構をすべて作り直すことにします。
まずは台車から伸びているシャフト。本来集電板と接触する部分を1.5mmほど削り、ロッドの位置ができる限り下がるようにします。今まではシャーシとロッドの間に隙間があったのですが、これで隙間はなくなりました。ロッドも端部の処理や曲げ角度を見直して浮かない形状にします。
ブラケットもガイドレールを1.0mmから0.5mmにし、T字の構造体も1.0mmから0.8mmへ。これで計算上0.7mm下がりました。各パーツの精度も前回以上に厳密にして遊びをほとんどなくしました。ですから0.8~0.9mmは下がったと思います。
以前のカメラ高さと比較して、明らかに低くなっているのが判りますか? 屋根との接触も発生しません。しかし、新たな問題が発覚しました。アンテナの線が天井に挟まって旋回の抵抗になるのと、本体が天井に接触しているため本体の下に通しているケーブルにも大きな抵抗がかかっているようです。
抵抗を緩和するため天井を切開。ボディーの剛性はさらに落ちましたが、カメラの旋回はかなりスムーズになりました。カメラの位置を下げた結果、映像の下部には少しケラレが発生しました。カメラの角度を持ち上げて解消することもできますが、高精度の代償として遊びがほとんどないので、前部ガイドレールに0.3mmプラ板をはさんだだけでも抵抗が大きくなってしまったので断念しました。ターンテーブルとカメラの間にはさむと効果があるかも知れません。
さて、そんな困難を乗り越えて、レールの上を手で押して走らせてみます。そしてさらなる問題が発覚。C243で構成したS字カーブの変曲点や、直線から曲線に遷移するあたりで前台車が脱線することがあります。前台車荷重が軽いのが原因のようなので、おもりを積んでみます。
カメラカー第1編成を作ったときに余ったおもりを金槌で叩いて5mm×10mmに整形します。長さは40mm程度になりました。これを床下に搭載します。
結果的に究極の低重心構造になりました。電池も搭載するとまるでM車のような車両重量。フラットブラックで塗装して完成。コーナリングも非常に安定しました。
トレインスコープTC-9改造・首振りカメラカー第2編成はこれにて完成。…となるところですが、ここから先は初挑戦、チップLED前照灯の実装にとりかかります。果たして限られたスペースに取り付けることはできるのでしょうか。
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