大移動! 劇的空飛ぶD51-1085

2010年02月16日 02時26分 正午の月齢:2.4  月名:三日月  潮汐:中潮 月齢:2.4[三日月] 潮汐:中潮
(最終更新日:2019年09月02日)
15年前に投稿 | 鉄道全般 | 4件のコメント

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2010年3月20日にオープンする有田川町鉄道交流館に紀勢本線藤並駅から移動するD51-1085。2010年2月13日、これを移動させるということで見物に行ってきましたー。ちなみに機関車が展示されていた部分の屋根や柵はすでに撤去されています。

以前の面影がすっかりなくなった藤並駅。まだまだ駅前の整備が続きます。機関車移動の作業時間は22時から翌6時ということなので、22時にスタンバイ。

住宅が並ぶ大して広くない道に、まずは大きなトレーラーが到着。一体何を運んでいるんでしょうか。まだこのときには大きな鉄の塊ということだけしか理解できませんでした。

機関車と炭水車はすでに切り離されています。炭水車は台車の下からブラケットが取り付けられ、車体上部まで巻きつけられています。

しばらくすると馬鹿デカいクレーン車が到着。さっきの道を通ってきたのか…。しかしデカい。D51よりも大きいよー。それでもあの鉄の塊D51を吊り上げることができるんだろうか。

クレーンのブームが伸びて作業開始。まずは先ほどのトレーラーに積まれていた多数の鉄板を降ろしていきます。アウトリガーを伸ばすための土台用です。

次に謎の鉄塊を降ろします。降ろすっていうか、クレーン車の上部へ載せました。ウェイトにするのは理解できましたが、このあとどうするんだろ。

さらに別のトレーラーが来て、そこにもウェイトが積まれています。そしてそれを先程のウェイトに密着させます。1個でどれだけ重いんだか。

なんだかわからないうちに、これらのウェイトはクレーンのお尻の部分に合体しました。そしてブームをどんどん伸ばしていきます。実は機関車前方から炭水車後方に向かって電線が斜めに走っています。どうやら電線越しに炭水車を吊り上げる作戦のようです。いやそれにしてもこんなに高く伸びるとは…。

炭水車が吊られました。鉄道車両が空を飛んでいる!

ありえない構図。機関車の上を炭水車が移動しています。さらに逆方向から大きなトレーラーが到着しました。炭水車を積んだトレーラーは一足先に移動先へ向かいました。この時点で時刻は0時30分くらい。

2台目のクレーン車が来ました。1台目と同様の蒸気機関車よりも巨大なヤツです。何度も位置を調整しながら絶妙なポジションへ。それにしてもデカい。どうやら機関車はこのお化けクレーン2台で吊り上げるようです。その後アウトリガーが来る位置に先程と同様に、まずは鉄板を敷きます。これは1台目のクレーンで。

作業開始。ブームを伸ばし、これまた先程と同様にウェイトをお尻にくっつけます。

その後機関車を吊るブラケットを掛けて、機関車の下に張り巡らしたワイヤーを掛けて、吊り上げる準備。って簡単に書いていますが時刻は2時30分を回っています。めちゃめちゃ慎重かつダイナミックなプロの仕事です。

ついに機関車が宙に浮きました。時刻はだいたい3時。もう寒くて眠くて、見ているのも辛かったけれど、このシーンを見て脳内麻薬がジョッと出た感じです。

高度を上げて移動します。2台のクレーンのコンビネーションも完璧。

もうホントに実写版銀河鉄道状態! いやでも鉄道車両は地面に接しているべきです。なんかもう、うわーとしか形容できないー。

藤並がこんなにエキサイティングなのは、有田鉄道の廃止以来かも。

炭水車を運んだトレーラーよりもさらにデカいトレーラーが来ました。しずしずと載せられていきます。

巨大トレーラーにぎりぎり収まったD51。

このように踏面部分に噛ませている養生材のためフランジは無傷です。

6600Vが流れている電線との距離はぎりぎり。1mもないんじゃないかな。見事な位置決めとクレーン操作でございます。

ワイヤーを外す作業に取り掛かりました。時刻は3時30分くらいです。

ようやく出発の準備ができたようです。こんなのが駅前の道を通れるのか心配。

先程は空を飛んでいた蒸気機関車が、今度は道路を走っています。

先回りして有田川公園にやってきました。すでに到着している炭水車は暗闇の中で不気味に佇んでいました。

公道を走ってやってきたD51。関係者のクルマも後ろについてきているので、まるで大名行列です。搬入シーンの動画です。

公園内にも養生用の鉄板が敷かれていますが、トレーラーのタイヤが通るたびに苦しそうな音を奏でます。トレーラーの多数あるタイヤも結構な潰れ方です。

敷地内で一旦バックし停車。時刻は4時40分。これでD51-1085の引っ越し作業は終了です。ホントはこれからまだトレーラーから降ろして所定の位置へ据え付ける作業があるのはわかっているけれど、もう目がショボショボで疲れたので撤収します。

翌日(っていうか当日?)、21時ごろ通りかかったのでのぞいてみると…ちゃんと展示されていました。

後から聞いた話では、搬送時高架下をくぐるときのクリアランスが1cmしかなかったとか。意外だったのはギャラリーは地元民ばかり(しかも少数)で、鉄ヲタがほとんどいないことでした。地元の人にしか情報が流れていなかったのか、今時の鉄ヲタは蒸気機関車には興味がないのか、「能登」「北陸」を追いかけてて来れなかったのか。写真を撮っている人はいたものの、撮影場所をちょこちょこと変えながら最初から最後まで追いかけていた人は他にいなかったので、もしかしたら貴重な記録になってしまったかも知れません。

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4件のコメント

  1. 有田市在住からのコメント | 2010年02月22日 #

    藤並駅のD51が無くなっていたので驚きました。
    移転したのですね。
    どうなったのか心配しただけに、次の保管場所があることに安心しました。

    深夜の撮影、ご苦労様でした。

  2. からのコメント | 2010年02月23日 #

    ありがとうございます。
    ホントに寒かったですー。いいモノ見れましたけど。

  3. Gomarzからのコメント | 2010年03月03日 #

    TBありがとうございました。
    金屋口移設まで追いかけられていたのですね。
    寒い中、ご苦労様でした。
    私は、機関車がトレーラーに載った時点でダウンでした(^^;
    いい記事を見せていただきありがとうございました。

  4. からのコメント | 2010年03月03日 #

    勝手にTBさせていただきました。コメントありがとうございます。
    いやー、寒かったですネ。3月20日が楽しみですー。
    もちろんキハ58003も。
    物心付く前から乗っていた車両ですから。

ごめんなさい、コメントフォームは閉鎖しています。

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