文化展合同レイアウト2016(その7)・バラストをまく

2015年11月12日 00時50分 正午の月齢:0.8  月名:新月  潮汐:大潮 月齢:0.8[新月] 潮汐:大潮
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1分ぐらいで読めます。

それではバラストを撒きましょう。

架線柱を試しに建てたのですが、バラストを撒く作業においてはじゃまになるので、いったん抜いてしまいます。

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それでは、作業開始。その前に使う道具を紹介しますネ。

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一般的なボンドバラスト法(ボンド水溶液をスポイトで垂らす方法)ですが、ボンド水溶液はボンド1に対して水2の割合にしています。中性洗剤はボンド水溶液100mlに対して2~3滴入れます。普通の人よりちょっと多いかな。また、一応平筆も用意していますがほとんど使いません。厚紙を折って作った滑り台(?)でバラストを撒き、金属定規で整えたらボンド水溶液で水浸しにし、その後歯科用短針で形を仕上げます。歯科用短針は20年前に購入したものですが、さすがに本物の医療用なので手になじむし、先端は丈夫だし、品質は良いですなぁ。

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KATO 24-330 バラスト明灰色(細目)をべったりと撒いた状態。まずは4枚のボードすべてをこの状態にしてしまいます。

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なんとなく下地処理が終わった感じですね。続きは完全乾燥してからになります。

文化展合同レイアウト2016(その6)・架線柱を建植する

2015年11月02日 18時00分 正午の月齢:20.5  月名:二十日余の月  潮汐:中潮 月齢:20.5[二十日余の月] 潮汐:中潮
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2分ぐらいで読めます。

設計が終わったので、実際に架線柱を建てていきます。まずは5mmのドリルでボードに穴あけ。裏側のバリはきれいに削り取っておきます。普通に設置する場合ですと、穴なんてあけなくていいんですけどね。

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一般的にKATOの架線柱はこのように土台に建てますが、

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実は逆にすることもできるんですね。

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こうすることによって、元のままではあまりにも高すぎる架線柱の高さを下げて不自然さを減らすことができるのですが、当然ボードには土台の逃げのために穴を開けることが必要です。道床と重なる部分はいらないので切り取ってしまいましょう。

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これを仮置きしてみると、架線との間隔はこれくらいになります。まだ高すぎるので、もう少し高さを抑えたいなぁ。

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ここでもうひとつの大技を出します。土台をボードの下から貼り付けてしまいましょう。

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ほれ、このとおり。かなりギリギリのところまで架線柱の高さを下げることができました。583系ではこんな感じですが、KATO EF81やTOMIX 381系ではもう少し余裕があります。さすがにこれ以上やると、接触する車種が出てきそう。

車両限界との干渉も問題ないようです。

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パンタグラフが載っている位置によって、摺り板と振れ止め金具の関係はホントにばらばら。これは仕方がないですね。583系の場合は、前後それぞれのパンタグラフが台車からの距離に差があるので、このように変わります。

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土台はボンドGクリヤーで接着したあと、木工用ボンドで固めてあります。

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この土台をボードの下から取り付ける方法は、実は前回の文化展のときから考えていたのですが、結局前回はボードに穴を開けることなく普通に接着し、架線柱をちょん切って短くした後再びくっつける方法(次期文化展、テーマは「引き込み線」。(その48)・新工法で架線柱の短縮)で架線柱の高さを下げました。3mm厚のシナベニヤ材を表面に使うのなら、今後もこの方法でいきたいと思います。

さて、いよいよバラストに取り掛かります。粒の大きさまで揃えたバラストがいったいどんな表情を見せてくれるのでしょうか。

文化展合同レイアウト2016(その5)・架線柱とカントの関係

2015年10月30日 18時00分 正午の月齢:17.5  月名:居待月  潮汐:中潮 月齢:17.5[居待月] 潮汐:中潮
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3分ぐらいで読めます。

さて、バラストをまく前に架線柱を立てておきましょう。

今回は架線柱を立てる位置について、計算してみたいと思います。

いつもKATOの単線架線柱を愛用しています。取り外しやすいし、シンプルだけどしっかりしているし。TOMIXのレールに対してKATOの単線架線柱を使うときには、道床の端から9mmの位置に柱の中心が来るようにすると、振れ止め金具の位置がパンタグラフの中央を捉えてくれます。

ところがカントを設定している関係で、カント量が1.5mmの場所では3.3mmほどパンタグラフの中心がカーブ内側に移動します。ということは単純に考えると架線柱も3mm道床側に寄せればいいのですが、カーブにおいて振れ止め金具はパンタグラフの摺り板の最外周に位置するあたりを支持するわけだから、実はほとんど道床側に寄せる必要はありません。けど、今度は内側線において車両のオーバーハングと架線柱が接触する可能性がでてきます。そういうことで少しは架線柱の位置を内側に向けてずらしたほうがいいような気がします。

パンタグラフの載っている位置によって振れ止め金具との位置関係は変わってくるのですが、2mmのオフセットがちょうどいい感じと判断しました。

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このように、カントに合わせて少しずつ位置をずらします。

次に架線柱どうしの進行方向に対する間隔を考えてみます。模型だからあまり難しく考える必要はないというものの、「いやいやその間隔で架線柱を植えたら、ゼッタイ摺り板から架線が離れるでしょ。ありえなーい。」というような感想は聞きたくないので、ちゃんと計算しておきます。

摺り板の幅は6mm。中心からそれぞれ3mmずつ動いても架線を捕らえられるわけですね。つまり280mmと317mmの曲線半径だから、それぞれ283mm~277mm、320mm~314mmの半径の間で架線がジグザグに動いてもOKなわけです。これを自力では計算できないので、「円の弧長,弦長,矢高,半径のどれか2つを与えて残りを計算」でやってみます。

弧長(円弧の長さ)L、弦長d、矢高(円弧の高さ)h、半径rのどれか2つに値を入力して、残りの2つを0と入力すると、その残りの2つおよび中心角を計算します。L=r*θ, d=2*r*sin(θ/2), h=r*(1-cos(θ/2))を用い、ニュートン・ラフソン法で計算しています。

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うーん、よくわからないけれど、矢高(摺り板の範囲)が6mm、半径に283(280+3)mm(または320(317+3)mm)を入れたら、答えが出るぽい。

弧長=0、弦長=0、矢高=6、半径=283で計算したら、弧長=116.7573262862635217293、弦長=115.9310139695155085897、中心角=23.63852305100623825827という答えが出ました。

半径=320で計算したら、弧長=124.1299377915755933571、弦長=123.353151560874195607、中心角=22.22537983337106197243となりました。弧長、弦長は外線のほうが長いけれど、逆に中心角は小さくなるみたい。

多少の誤差はあるものの、どうやら22.5度ごとに架線柱を設置したらいい具合に収まりそうです。

文化展合同レイアウト2016(その4)・線路の設置とカント

2015年10月27日 18時00分 正午の月齢:14.5  月名:十五夜  潮汐:大潮 月齢:14.5[十五夜] 潮汐:大潮
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3分ぐらいで読めます。

いよいよ線路を設置します。

4つのモジュールそれぞれに給電機能を持たせるために、まずはレールに準備工事。

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ここにはんだ付けするのはなかなか難しいのですが、効果は抜群! 外見に全く影響を与えません。ボード側もこのケーブルの位置に対応させています。

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現時点ではあくまで準備工事にとどめておきますが、実際に各人のモジュールを持ち寄ってつなげたときの電気事情に応じて、配線することにしましょう。

続いてレールにカントをつけます。カントをつけるかつけないかは、かなり考えたのですが…結局つけることにしました。プラ板の重ねる枚数を変えながらカント量を変えていきます。

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カント量の設定について。

JR在来線での最大カントは105mm。1067mmに対して105mmですから、ざっくり10%程度ということになります。9mmのゲージだったら0.9mmくらいですね。TOMIXの道床が18.5mmなので、1.85mmが最大と考えることができます。もう少し調べて見つかったのが「鉄道模型おきらく研究室:レイアウトと列車のページ カント」。鉄道模型なんて、この半径にとんでもないスピードで突っ込んでもそんなに簡単には外側にこけることはないのですが、逆に牽引力で内側に倒れる危険性が大きいわけです。それでもあえてカントをつけるのだから、このあたりのバランスをぜひ知っておきたい。

模型のカント

内側に転倒しないための条件

この条件を決めるためには模型重心高を決める必要があります.が,実験的に求めるのは結構やっかいです.そこで,概算することにします.蒸気機関車のボイラー中心高さを重心高の最大値と仮定します(誤差が大きいのは承知のうえでの仮定です).D52の場合,実車のボイラー中心高さが2550mmで,KATOの縮尺を1/140とすると18.2mmになります.ですから模型の最大重心高を18mmと仮定しましょう.一方,Nゲージではゲージ,すなわちG=9mmなので,重心高をhとすると

h=2G

です.

一方,内側に転倒しないための条件を(余裕を含めて)満たすためのカント角λは,

hλ=G/6

なので

λ
=(1/6)(G/h)…………………(1)
=1/12

となり,1/12の傾きが最大カント角になります.なお,1/12の傾斜は8.3%≒4.8°に相当します.実物(約10%)の2割減ぐらいが目安でしょうか.

つまり、道床幅18.5mmの1/12ということで約1.5mm。0.5mmのプラ板を3枚重ねて、1.5mmにしました。内側が浮かないように、ボンドGクリヤーでガッチガチに接着します。その後木工用ボンドで45度付近をスポット接着したので、もうビクとも動きません。さらに裏側の給電線準備工事部分のケーブルも木工用ボンドで固めます。

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ちなみにカントがあるときとないときの比較画像。たった1.5mmですが、これほどの視覚的効果があります。

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はい。もうカントなしなんて考えられません。ぐへへ、この傾きたまりませんなぁ。ハァハァ。

文化展合同レイアウト2016(その3)・バラストの調律

2015年10月24日 18時00分 正午の月齢:11.5  月名:十二日月  潮汐:中潮 月齢:11.5[十二日月] 潮汐:中潮
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2分ぐらいで読めます。

どのバラストを使うか決められないまま時間が過ぎてしまいました。前回も書きましたがTOMIXライトグレーは粒の大きさにかなりばらつきがあり、中にはちょうど良いサイズもあるのです。

じゃあ、大きなサイズだけ取り除いたら…

そんなわけで作りました。ファイントラックバラストローパスフィルター。

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缶スプレーのふたに24メッシュの網戸用の網を貼り付けた、最先端の機器。これを通過できたものだけが今回のバラスト決定戦の決勝戦に進めるのです。さっそくふるいにかけてみました。結果はこのとおり。

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1/4ほどが通過しました。一番搾りのバラストのこの均一感を見てください。なんかいい感じしません?

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KATOの2種に比べると明らかに粒が大きくスケールどおりではないのですが、KATOのものはちょっと小さいかなと思っていたのでこれくらいが狙いどおり。

それはさておき、残った3/4を捨てるほどリッチじゃありません。敗者復活のため、ボードを作ったときの切れ端のヒノキの棒ですり潰します。TOMIXのバラストは軽石系なので簡単に潰せるのです。ごりごりごりごり…

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すり潰したものをフィルターにかけて、すべて強引に通過させました。

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ただこのままじゃ粉砕時に発生したパウダー状の石粉が混ざっています。これはあまりにも細かすぎて使えないのでどうして取り除こうかと考えましたが、

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結局、米を研ぐように何度も何度も水洗いし、粒子成分を除去しました。原始的な方法ですけど。

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ただいま乾燥中。これでうまくいきそうなら、KATOの明灰色は補欠にまわして、このバラストでレイアウト製作開始です。

文化展合同レイアウト2016(その2)・バラストの選定

2015年10月21日 18時00分 正午の月齢:8.5  月名:九日月  潮汐:小潮 月齢:8.5[九日月] 潮汐:小潮
(最終更新日:2015年10月23日)
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4分ぐらいで読めます。

鉄道模型のレイアウトにおけるバラストをまく作業は、線路系の作業の仕上げ的な要素があって大変だけど大好きなのですが、以前から気になっていたのがバラストの選定。今までずっとTOMIXのライトグレーを愛用していたけれど、果たしてこれでいいのか。考えるチャンスは今しかないので、ちょっとまじめに取り組んでみました。

TOMIXのバラストは明らかにオーバースケール。それでも好んで使っていたのは、バラスト独特の角のある石ころ感とボンド水溶液の浸透性の良さによるところが大きい。それにオーバースケールといっても、バラストを着色するのに缶スプレーを使っているせいか、いい具合に目が詰まってそんなに違和感がありません。じゃあ今までどおり黙ってTOMIXのバラストを使っていればいいじゃないかというなかれ。今回は自己表現の幅が狭いんです。これくらい遊ばないとネ。

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いろいろなバラストを買ってきて、テストピースをつくってみました。TOMIXライトグレー、KATOユニトラック、KATO明灰色(細目)、TOMIXライトグレー+KATOユニトラック、KATOユニトラック+KATO明灰色(細目)の5つ。ボンド水溶液で固めて、観察しました。

1.TOMIXライトグレー

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とにかく粒がデカい。スケール的には人間の頭くらいのものもあります。ところが全部が大粒かというとそんなことはなくて、袋の下のほうはかなり粒子が細かい。そのためよく混ぜて使うといい感じになります。ただ今回のテストでは袋を開けて撹拌せずにすぐに盛り付けたため、特に大粒のものが集まっています。でも色はいいんだよなぁ。いくらでも好きな色に着色できるし。

2.KATOユニトラック

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粒の大きさ、色、形、どれもかなりいい感じ。ただ唯一にして最大の欠点が黒い粒。なんでこんなの混ぜるかなぁ。この石炭のせいでメリット全部殺しています。さすがに手で取り除くのはキツい。この黒い粒ですが、手にとって指先ですりつぶすと指先に黒く広がり、油っぽいにおいがしました。石じゃなくてタール系の材質のようです。溶剤に漬けておいたら黒い粒だけ溶けるかなと思い、やってみたけど効果なし。何の意図があってこんな異物を入れるんだか。残念でたまりません。

3.KATO明灰色(細目)

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かつてバラストとしてではなく、砂利っぽい地面の表現によく使いました。悪くはないんですが、線路内のバラストに見えるかというと、ちょっと細かすぎる感じがします。明灰色というわりに薄茶色という感じで、今回はこれを使ってみようかな、でも外すと怖いなぁ、と言ったところ。

4.TOMIXライトグレー+KATOユニトラック

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いいところ全くなし。混ぜるとそれぞれの欠点ばかりが目立ちます。まるで普通のバラストの中に岩石が入っているようで、しかもところどころに石炭が入っている感じ。最悪です。

5.KATOユニトラック+KATO明灰色(細目)

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粒の大きさに違和感はないものの、それぞれの粒の形が全然違うのでどうにもこうにも落ち着きません。とどめはやっぱり石炭のような黒い粒。とにかくジャマでたまらない。

結果として、「混ぜるな危険」ということがわかりました。この実験だけでは結論を出せないので、次はレールに撒いて確かめてみます。

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純正3種類をそれぞれボンドバラスト法で固着させました。いつもはレールとレールの間には撒かないのですが、今回は撒いてみます。結果は以下のとおり。

1.TOMIXライトグレー

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人間の頭くらいの岩石のはずなのに、50cm離れて見るといい感じに収まります。何でもスケールどおりでないほうがそれっぽく見えるという模型の特性が出ています。

2.KATOユニトラック

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KATOユニトラックだけではなくTOMIXファイントラックにも最適、粒の色・形、大きさ、申し分なし。ただ、繰り返しになるんですが、黒い粒のせいで使えません。もうホント勘弁してください。なんなんですかこの石炭。これさえなければ…

3.KATO明灰色(細目)

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もし、単線のローカル線を再現したいなら、間違いなくコレでしょう。でも複線電化のレイアウトにはどうも合わない気がします。何ていうか、砂っぽいんです。悪くはないんだけどなぁ。どうすっかなー。

さてさて、散々引っ張っておいて、答えが出ませんでした。あまりバラスト選びで時間を食ってるわけにはいかないんですよねー。今後レイアウトを作る人の参考にでもなれば幸いです。

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