わたの原 漕ぎ出でて見れば ひさかたの
いかに久しき ものとかは知る
からくれなゐに 水くくるとは
かたぶくまでの 月を見しかな
花よりほかに 知る人もなし
雲居にまがふ 沖つ白波
世をうぢ山と 人はいふなり
花ぞ昔の 香ににほひける