明けぬれば 暮るるものとは 知りながら
なほうらめしき 朝ぼらけかな
ぬれにぞぬれし 色はかはらず
三笠の山に 出でし月かも
人こそ知らね かわく間もなし
かけじや袖の ぬれもこそすれ
昼は消えつつ 物をこそ思へ
乱れて今朝は 物をこそ思へ