思ひわび さても命は あるものを
さしも知らじな 燃ゆる思ひを
人の命の 惜しくもあるかな
いく夜寝覚めぬ 須磨の関守
憂きにたへぬは 涙なりけり
衣ほすてふ 天の香具山
忍ぶることの よわりもぞする
つらぬきとめぬ 玉ぞ散りける