君がため 春の野に出でて 若菜つむ
あらはれわたる 瀬々の網代木
わが身一つの 秋にはあらねど
恋ぞつもりて 淵となりぬる
雲がくれにし 夜半の月かな
ゆくへも知らぬ 恋の道かな
わが衣手に 雪は降りつつ
いでそよ人を 忘れやはする