長からむ 心も知らず 黒髪の
乱れて今朝は 物をこそ思へ
山の奥にも 鹿ぞ鳴くなる
いく夜寝覚めぬ 須磨の関守
人をも身をも 恨みざらまし
雲居にまがふ 沖つ白波
今ひとたびの 逢ふこともがな
有明の月を 待ち出でつるかな